「海に放出するんですか?」処理水理解度はさまざま

一方、福島第一原発にたまり続ける処理水の海洋放出について聞くと…

神奈川県から来た人「あー太平洋の方に流すと、ニュースで少し見たくらい」
神奈川県から来た人「俺は知らない」

都内から来た親子・娘「アルプス処理水…知ってる?」
母「原子力発電所の処理水を海に放出するんですか?何のために?」

海洋放出への理解度は様々で、中には処理水自体を知らない人も…

かに船・石井勝さん「処理水の理解はまだまだ薄いというか、他人事に感じているかと思うんですよね。東京の皆様も」

今年1月、政府は「処理水」について、「今年春から夏ごろ」に海に放出する方針を決定しました。

計画では、処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を国の基準値の40分の1となる1リットルあたり1500ベクレル未満にまで海水で薄め、放出します。

震災・原発事故からまもなく12年。県内の漁業が試験操業を終え、本格操業へと舵を切る中で迫る処理水の海洋放出について、国民の理解はどこまで進んでいるのか。

経済産業省・太田房江副大臣「全国に対する、あるいは世界に対する情報発信等の取り組みを強化させていただきました」

今年1月、いわき市で開催された処理水対策評議会で、太田房江経済産業副大臣は、政府が去年12月に全国で行った処理水の安全性を発信するCMや広告の効果を報告。

全国の処理水の認知度は、去年9月時点で46.5%だったものが、情報発信後は55.3%と8.8ポイント上昇し、一定の効果が表れたと説明しました。

しかし、石井さんは全国の物産展に参加する中で、認知度はさらに低いと感じています。

かに船・石井さん「私的には3割のお客さんくらいしか処理水については認識はないのかなと思います。1月には九州の方に行って処理水の話をしたんですが、ほぼほぼわからないです。遠くなればなるほど認知は少ないです」

その理由について石井さんは、震災・原発事故の風化が進み、人々の関心が薄れていることをあげ、こうした中、放出が始まれば新たな風評につながりかねないと危機感を抱いていました。