■「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2023 名古屋」日本代表2ー7中日(3日、バンテリンドーム)

9日に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に向け中日との強化試合に臨んだ侍ジャパンは、中継ぎ陣が炎上。2ー7で敗れ、栗山英樹監督(61)が就任して以来、11月の強化試合から7戦目で初めて黒星を喫した。4日も同カードで試合が行われる。

WBC開幕戦まであと6日に迫った侍ジャパンは、WBC公式球で初めてドーム球場での実戦となった。本戦が行われる球場(東京ドーム)ではないが、人工芝でのボールの跳ね方、転がり方を試す機会となった。「声出し応援」が解禁された満員のドームが熱狂に包まれる中、ベンチではこの日に合流した大谷翔平(28)、ラーズ・ヌートバー(25)がダルビッシュ有(36)らの横で戦況を見守り、ヌートバーはメモ用紙を片手にダルビッシュ、大谷に積極的に話しかける場面も。

先発の今永昇太(29)は、立ち上がりから最速153キロのストレートをマークするなど1回を無失点に抑えた。3回は龍空(20)を5者連続となる空振り三振に仕留め、盤石の投球が続いたが、1死から9番・ルーキーの田中幹也(22)にレフト前ヒット。二盗を決められると、指名打者・カリステ(31)にレフト前に運ばれ先制点を奪われた。

4回は2人目・戸郷翔征(22)が1死三塁のピンチに高橋周平(29)をフォークで空振り三振。木下拓哉(31)にはライトへ運ばれたが、近藤健介(29)がランニングキャッチ。カブス・鈴木誠也(28)の欠場でライトに入る可能性のある近藤が好プレーを見せた。

6回の戸郷は2死無塁からアキーノ(28)にシュート回転したストレートをレフトスタンドに運ばれ勝ち越しの本塁打を許すと、高橋周にはカウント3-0から左中間へツーベース、続く木下にセンターオーバーのタイムリーツーベースを打たれた。今永、戸郷ともに3イニング目にボールが甘く入り失点した。

7回は3人目・松井裕樹(27)が登板。先頭打者に四球を許すと2死二塁のピンチを招き細川成也(24)にレフト線へタイムリーを打たれ1-4。さらに2者連続四球を与えると2死満塁から高橋周にタイムリーを浴び5点目を奪われた。ここまで侍の3投手は全て2死からの失点となった。松井がここで降板すると4人目・栗林良吏(26)もつかまり木下にフルカウントから2点タイムリー。1ー7と引き離された。

侍ジャパン打線は1点を追う4回、先頭の3番・牧秀悟(24)がレフト前ヒット。4番・村上宗隆(23)は引っ張って強化試合初となるライト前ヒットとし、一・三塁とチャンスメイク。ここで岡本のボテボテのサードゴロで、牧が同点のホームイン。侍ジャパンは選手全員でベンチ前まで行き牧を迎えたが、ヌートバーはこれが分からず大谷が慌てて腕を引っ張る姿も見られた。

追いつきたい打線は、8回には先頭の周東佑京(27)がツーベースで出塁すると、2死二塁から牧がライトへタイムリーを放ち2ー7。9回は2死からランナー2人出すも反撃ならずゲームセット。この日は悪い所が全て出た試合となった侍ジャパン。WBC日本の開幕戦まで、実戦は残り3試合でチームを仕上げていく。

試合後、栗山監督は「これだけの選手が集まるとうまくいかない時がある。それでもなんとか点を取られても勝ち切る試合を作っていかなければいけない。(打線も)いい時もあるし、(調子が)上がってこない時もあるんですけど、できる限りのことは準備を含めて考えながらやっていきます」と敗戦を振り返った。リリーフ陣について「栗林もね、いつも抑えやってるピッチャーがああいう場面でいくケースもないと思うんでね。すごく良かったし、経験してもらうっていうことが大きかった」と手ごたえも口にした。