ロシアが何らかの"勝利"宣言したいはずの対ドイツ戦勝記念日(5月9日)が近づいている。
しかし思うような戦果が上がっていない。一方アメリカはウクライナに対し新たに330億ドル(約4.3兆円)の追加支援を示した。
こうした現状の中、プーチン大統領の発言は日々過激になっている。
「我々にとって受け入れがたい戦略的脅威を作り出そうとするなら反撃は電光石火に行われると認識すべきだ――我々は誰も持っていないような反撃の手段をすべて持っている――必要とあれば使う――そのための決定がすべてなされている」
4月27日、プーチン氏が議会関係者の前で語ったこの発言は、核兵器使用を辞さない構えであることを改めて明言したに他ならない。こうした発言から何が読み取れるのか、専門家に聞いた。
■「ロシアが追い詰められている」
防衛研究所 兵頭慎治 政策研究部長
「苛立ちとともに焦りを感じる。欧米諸国に軍事支援が続き戦争が長期化する中、ロシアが追い詰められている」
角茂樹 元駐ウクライナ大使
「最初のシナリオは大失敗。今、東部に移ったがこれも巧くいっていない。プーチンにしてみれば全て西側がゼレンスキー政権を助けているからだ、と苛立っている」
プーチン大統領を苛立たせる侵攻の行き詰まりばかりではない。
キーワードは『ロシア化』だ。