宇佐美「残留争いに巻きこまれた時の成功体験があって」
6分。ガンバが、後半最初につかんだコーナーキックのチャンスをものにした。宇佐美選手が送り込んだボールに三浦選手が競って、ボールがこぼれたところに鈴木選手がすばやく反応。執念で押し込んで、正真正銘のゴール。大声援を送るホームサポーターの目の前で、ついに先制点を奪った。勢いに乗って攻め込みたいガンバ。
ところが宇佐美選手が、「ここ数年、残留争いに巻きこまれた時の成功体験があって、どうしても1点が入った後、固いゲームをしてしまった」と語ったように、ボールを大事にしようとするあまり、前半のようなアグレッシブさが失われていく。
逆に鳥栖は、同点を狙って次々と攻撃的なカードを切り出し、攻撃のテンポを一段とスピードアップ。すると19分、途中交代で入った樺山諒乃介選手が、鋭い切り返しから股抜きと、次々とDFをかわしてシュート。圧巻の同点ゴールをガンバのゴールネットに突き刺した。
さらに22分、勢いに乗るサガンは、福田晃斗選手のスルーパスを受けた、こちらも途中交代の富樫敬真選手が、ディフェンスを振り切って勝ち越しのゴール。しかし、ここでもVARの判定で、オフサイドが認めらノーゴール。両チームともVARで1点ずつ幻のゴールとなり、1対1のまま、試合は終盤に突入した。
残り20分、ここから、ガンバが昨年までとは、一味違った魅力的な展開を見せる。勝ち越しを狙って、期待の新戦力、カタールワールドカップでも活躍したチュニジア代表のイッサム・ジェバリ選手に加えて、食野亮太郎選手、山本悠樹選手といった攻撃的な選手を次々と投入。リスクを承知で、ゴールを奪いに行く。
両チームにチャンスが訪れるスリリングな展開。後半36分には、食野選手が絶好のチャンスを迎えるも、ものにできない。いっぽうピンチの際は、湘南から復帰し、東口順昭選手との超ハイレベルなスタメン争いを勝ち抜いたGK谷晃生選手が、冷静な対応でしのぐ。