「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」。数々の名作を生んできた漫画家・松本零士さんが亡くなりました。松本さんが訴えてきた「戦争と平和」とは?

漫画家・松本零士さん 宇宙へ

1979年公開の映画「銀河鉄道999」。主人公、星野鉄郎がメーテルと、列車に乗って宇宙を旅する冒険アニメです。

松本零士さん(1979年)
「星を見るのがものすごく好きでして、自分自身がその星の海を旅してみたいというのが本当に願望だった」

宇宙や冒険をテーマにした壮大なSF作品で知られた漫画家の松本零士さんが、2月13日亡くなりました。85歳でした。 

高校卒業後、福岡県・小倉から汽車に乗って上京。そのとき感じた「成功するまで帰らない」という思いが「銀河鉄道999」の主人公に重なっているといいます。

そして「宇宙戦艦ヤマト」や「宇宙海賊キャプテンハーロック」など、宇宙を舞台にしたロマン溢れる物語で、子供だけでなく大人も巻き込み、多くの共感を呼んだ松本さん。

松本零士さんの原点とは

その一方で、松本さんは半世紀にわたって書き続けているテーマがありました。松本さんが描いてくれた、その原点ともいえる光景が…

松本零士さん(2019年)
「17日です、これ。終戦の2日後です―」

1945年8月17日を描いたとする画。真っ赤な夕日を前にたたずむ麦わら帽子の少年は、当時7歳の松本さんです。その目線の先にある無数の影は…

松本零士さん(2019年)
「宇和島から練習飛行隊が、夕日の前を横切ってシルエットになって、全機が離陸し北の方の本土のどこかの飛行場に飛んだ。それが終戦の記念として心に残っている。負けたんだなぁというのと一緒に…」