「物流の2024年問題」という言葉を聞いたことがありますか?

「物流の2024年問題」とは、来年の2024年4月から、トラック運転手の残業に関する規制が強化されることで人手不足となり、物流への影響が懸念されているものです。


東京や大阪など、大消費地から遠く離れている宮崎では、どのような弊害が生じ、その対策はあるのでしょうか、現状を取材しました。

2030年 宮崎県内の荷物の約4割が運べない!?

民間の大手シンクタンクが1月に発表した衝撃的な試算。
それは、トラック運転手が不足し、2025年には県内の荷物のおよそ3割、2030年には、およそ4割が運べなくなるというのだ。


(JA宮崎経済連・物流改革推進班 倉山智寛さん)
「宮崎の青果物をお届けでできないということも発生しかねない」

この問題を引き起こす要因が、2024年4月から適用されるトラック運転手の残業時間の上限規制だ。

これにより、トラック運転手が残業できるのは年間960時間までとなり、違反した場合の事業者への行政処分も厳罰化されることになっている。


さらに、1日当たりの拘束時間なども改正され、JA全農のシミュレーションによると宮崎から関東まで、陸路で農産物を輸送する場合、現状では違反になると示されている。


流通コストの増加・担い手確保の問題 その背景は・・・


解決策として、ドライバーを交代したり、休憩時間を増やしたりすると、販売に至るまでの日数が1日延びてしまうほか、流通コストの増加といった影響があるとJAの担当者は話す。


(JA宮崎経済連・物流改革推進班 倉山智寛さん)
「コストの上昇というところは、その分、販売での価格に転嫁できればいいが、なかなか青果物の場合、そういったことができない」



また、近年は、ネットショッピングの普及で小口の荷物が増加。運転手のニーズが高まり、担い手確保も大きな問題だ。

流通への影響が懸念される中、規制が強化される背景について宮崎県トラック協会の牧田信良会長は・・・

(宮崎県トラック協会 牧田信良 会長)
「我々の業界は労働災害、特に心疾患・脳疾患の労働災害が多い、下請け事業者がルールを守れない、守らないということでどうしても労災事故が減らない、そのようなところで厳しく法整備された」