短編小説の中でも特に短い「ショートショート」を対象にした坊っちゃん文学賞の今年の大賞作品が決まりました。

愛媛県の松山市役所で行われた表彰式には、ショートショート作家の田丸雅智さんら審査員3人と国内外から応募のあった7000点余りから最終選考に残った作者6人が参加しました。

坊っちゃん文学賞は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台になった松山をPRしようと創設され、2019年からは4000字以内の「ショートショート」に絞って作品を募集しています。

田丸雅智審査員長
「大賞作品は…そるとばたあさんの『ジャイアントキリン群』に決定しました」

大賞受賞者・そるとばたあさん
「坊っちゃん文学賞は目標にしてきた賞なので、文学のまち松山でこのような賞をもらい大変うれしく思います」

大賞に輝いたそるとばたあさんの「ジャイアントキリン群」。

物語は、高校のグラウンドに巨大なキリンが現れる場面から始まり、野球部員たちがキリンとのふれあいを通じ成長していく姿を描いています。

田丸審査委員長
「こちらは文句なしの傑作です。熱い涙がにじんだラストでしたなので皆さんにぜひ読んでもらいたい」

そるとばたあさん
「スポーツに限らずいま何かに打ち込んでいる人とか、今頑張っているけど結果が出ない人にも考えながら続けたり変化することで切り拓けるものがあるんじゃないかという気持ちを伝えたい」

「ジャイアントキリン群」は来月6日発売予定の文芸誌「ダ・ヴィンチ」に掲載されます。