「ほぼ全国民」の目標はどこへ
マイナンバーカードの普及率は申請ベースで約8662万件、全人口の68.8%に達した(2月12日現在)。これは運転免許証を上回る数字だ。
岸田総理
「様々な工夫を重ね、昨年初めに、5500万件だった取得申請を、8500万件、まで増やしました。今や、運転免許証を大きく超え、日本で最も普及した本人確認のツールです」
今年の岸田総理の施政方針演説でこう胸を張った。しかし、政府がこれまで掲げてきた目標は「2023年3月末までにほぼ全ての国民に行き渡らせることを目指す」である。去年10月の岸田総理の所信表明演説でも「概ね全ての国民への普及のための取組を加速する」としていた。その文言は消えてしまっている。
政府関係者は「先進国でもオンラインで本人確認できるツールがここまで普及した国はない」として、事実上目標は達成したとの認識を示しているが、政府が一度掲げた目標は重い。「ほぼ全ての国民」はどうなってしまったのか、岸田総理の説明が待たれる。
TBS政治部 官邸キャップ
川西 全