苦境を救った岩手・北上市での「運命の出会い」

北上市の工場で製造主任を務める舘下愛美さん(37)です。2011年、舘下さんは当時勤めていたニット工場が閉鎖となり、これからの道を探していたところでした。
(ユーティーオー 宇土寿和 代表)
「リンキングをやってる人はいるんじゃないですかっていう形で(舘下さんが勤務していた会社に)話をしたら、今ちょうどハローワークに行ってるから宇土さんどうって言うんで。それだったらもうぜひ」
(ユーティーオー 製造主任 舘下愛美さん)
「お声がけいただかなかったら今自分がどういう職に就いてたかもちょっと想像がつかないので、運命だったんだなって思います」

舘下さんとの出会いをきっかけにその年の10月、ユーティーオーは息を吹き返し、北上市での製造をスタートさせました。わずか3人で始まった工場は今、10人以上に。30代の職人たちが中心です。
(ユーティーオー 製造主任 舘下愛美さん)
「お互いに次の工程に渡すときに、こうした方がいいよ、とかそういうところを重要視しています。チームワークがすごく大切」
縫い代が少なくきれいな製品づくりに欠かせないニット工程の要「リンキング」。舘下さんは技を継承する職人としても無くてはならない存在です。

(舘下愛美さん)
「このちっちゃい針に刺していって(パーツとパーツを)縫い合わせる作業になります。一目でも刺し損じてしまうと、捨て糸を取った後にここは目が全部落ちてきてしまうので、そうならないように気をつけて刺しています」