「最高の手触りを届けたい」と、企画・製造から販売までを手掛ける国内有数のカシミヤニットメーカーの工場が、岩手県北上市にあります。会社を立ち上げた男性とものづくりを支える若き職人たち、それぞれが紡ぐ思いとは。

「繊維の宝石」とも呼ばれる「カシミヤ」。国内でも珍しいカシミヤニットの製造工場が北上市下江釣子にあります。

(ユーティーオー 宇土寿和 代表)
「基本的には1枚1枚それこそ人間の手で作るっていうのが一番いい製品だとも言っていますので。手の温かさが届いてほしいです」

こう話すのは、1992年創業のカシミヤニットメーカー「ユーティーオー」の宇土寿和代表(72)です。
企画、製造、それに販売までを一貫して手掛けています。

カシミヤは中央アジアの高地に生息する、「カシミヤゴート」と呼ばれる希少なヤギのうぶ毛から作られます。カシミアニットは製品のパーツごとに編んでいく「編立て」、パーツとパーツを縫い合わせる高度な技術「リンキング」、編みあがった製品を水洗いしたあとはひと手間かかる「自然乾燥」、カシミヤ本来の柔らかさを引き出す「縮絨」という工程で作られます。最後はスチームアイロンで仕上げていきます。