特別に取材を許可されたのは、所在地を明かすことを禁じられたウクライナ“極秘施設”。重厚な扉の先で待っていたのはロシア兵捕虜たちの厳しい視線でした。収容中の民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員が語ったのは、受刑者を激戦地へ送る“傭兵集団”の実態でした。
ロシア人捕虜 身体拘束なし自由時間に筋トレ 作業の対価でデリバリーも可能
ウクライナ西部。JNNのクルーは“ある極秘施設”を訪ねました。

増尾聡記者
「ここから捕虜が収容されている施設になります。何度も鉄格子、厳重な扉をくぐっていますが、さらに何重にもありますね」
ウクライナで拘束されたロシア軍の戦争捕虜が収容されている施設。ロシア側の標的とされる可能性が高いため、所在地は明かさないという条件で、特別に単独取材が許可されました。

増尾記者
「ちょっと驚きですが、捕虜が身につけていた実際の服。ロシア軍の制服もわかりますね。ここでまず皆さん服を脱いで、危なくないように身につけているものをすべてとると」
ここでも1日に複数回、空襲警報が鳴ります。取材中もウクライナ全土に空襲警報が・・・

増尾記者
「ここが今・・・(一斉に立ち上がる)いまシェルター来ましたけれど・・捕虜が一斉に立ち上がりました。私たちに厳しい視線が向けられています」
薄暗い地下の一室には、警報のため、避難してきた捕虜の姿が。年齢は明らかにされませんでしたが、20代前半から60代後半にも見える高齢者まで様々です。その後、空襲警報が解除され、地上へと戻ろうとしていた、その時・・・
増尾記者
「あ、いま電気消えましたね、停電ですかね。小さな小型のライトをつけました。緊張感が走りましたね、捕虜の方が動いているときだったので」
インフラ施設を狙ったロシアの攻撃による電力不足は、こうした施設にも影響を及ぼしています。

この施設にいる捕虜は、手錠や腰縄など、身体を拘束される器具を一切つけられていません。自由時間もあり、走ったり、筋力トレーニングをしたりする捕虜の姿もありました。

この施設では他にも、1日に7時間程度、作業に取り組む時間が設けられています。この日は数人単位のグループに分かれ、ガーデニングチェアを作っていました。

増尾記者
「カッターやペンチ、鋭利な刃物みたいなものを使って作業している」
作業時間に応じて報酬が支払われ、地域の飲食店での配達注文などに使うことができるということです。当局が海外メディアに取材を許可したのは捕虜の待遇に問題が無いことを示す意図もあるとみられます。

















