■新メインエンジンLE-9開発 苦労の連続だった

ロケットで打ち上げる衛星の受注ビジネスで国際競争力を高めるため、開発費を抑え低コストを追求したH3。その命とも言えるLE−9の開発は2015年から始まりましたが、道のりは平坦ではありませんでした。

LE-9


現在運用されているH2Aのメインエンジンよりも構造を簡素化させるために部品数を2割減らしたほか、3Dプリンターや車の電子部品を活用し、コスト削減を図りました。しかし、開発段階の燃焼試験でエンジン内に穴が開いていたり、燃料を送り込むタービンにヒビが入ったりするなどトラブルが相次ぎ、当初2020年度に計画された打ち上げは2年延期に…。

(坂中さん)「エンジンが壊小さいヒれた経験がなかった。ビなどが発見されたことで大事な一発が失敗する」

およそ430トンのH3を打ち上げるために必要不可欠なLE−9。わずかなトラブルでも打ち上げ失敗につながるおそれがあります。坂中さんは2年の延期期間は必要だったと捉えています。


(坂中さん)「延期である意味良かった。大丈夫かと思ったまま進むより、やり切ったと思う時間があって助かった」