ベトナム人の「日本離れ」
海外へ働きに出る日本人が出てきた一方で、日本国内では、これまで支えてくれていた外国人の働き手に、異変が起きているようです。
千葉県君津市の「特別養護老人ホーム 夢の郷」でヘルパーとして働くベトナム人女性 「ロアンさん」に伺いました。
――日本でのお仕事はどうですか?
特別養護老人ホーム「夢の郷」ヘルパー ロアンさん
「働いて、お母さんの生活のために、お金を送っています。でも、今年、まだです。お給料が減ってる。まだ送りたくないです…」
円安の影響もあるようで、仕送りが出来ていないというお話でした。
現場はどうなっているのか?この施設の代表、津金澤寛さんに、伺いました。
――何が起きているんでしょうか?
つばさグループ株式会社オールプロジェクト代表 津金澤寛さん
「円安だから、今送らないで、ちょっとお金貯めといて、レートが変わったら送ろうか、みたいなことはよく言ってますね。2~3割くらいマイナスになるっていうのが、円安の今の「ベトナムドン」と「日本円」との関係です」
――影響が大きいですね?
つばさグループ株式会社オールプロジェクト代表 津金澤寛さん
「普段は、大体3ヶ月で10~15万円位、仕送り用のお金ができます。今はその15万円が、12万円になっちゃうとか、そういう状況です」
――働く人も減っているそうですが?
つばさグループ株式会社オールプロジェクト代表 津金澤寛さん
「ベトナム自体がどんどん経済が発展してきているので、無理して外に行かなくても、自国で働けるっていう状況に変わってきています。そのため、日本の介護業界に対して、ベトナムの技能実習生の子たちが、あまり魅力を感じなくなっています。その結果、日本の介護業界におけるベトナム人の比率が低下してるんじゃないかと思います」
様々な声が出ましたが、結局、そもそも日本はすべての分野で給料が上がっておらず、その中でも、看護や介護の給与は、さらに低い水準です。
例えば介護は、全ての産業の平均給与と比べて、17%も低く、年収では75万円くらい少ないという統計もでています。
そして、そこに円安まで襲ってきて「目減りしている」ということでしたが、給料も低いのに加えて、「性的マイノリティの方々に不寛容」、「男性の家事・育児も進まない」・・・このままだと、日本が世界から取り残されてしまいます。
(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)