日本レスリング界、前人未到の挑戦

リオと東京の五輪にて、女子レスリング金メダリストとして2連覇を果たした 川井梨紗子選手。東京五輪後、結婚をして“金城梨紗子”となり、現在は1児のママでもあります。

そんな梨紗子選手ですが、【パリ五輪で金メダルを獲って3連覇を果たす】という目標を胸に、今も練習に励んでいます。

実は日本レスリング界において、ママとなり五輪に出場した選手は存在していません。

前人未到の挑戦に、梨紗子選手は「妊娠出産を経て金(メダル)ってのは、私にしか今できないこと」と話します。

しかし生活においてはこれまでと違って、育児と競技を両立する必要があります。そのため、1日のスケジュールも必然的に目まぐるしいものに。

また、出産による体の変化もあったといいます。レスリングの選手が行う前転や後転、ブリッジまでもができず、現役選手として戻れるかどうか不安も感じていたそう。

梨紗子選手は、出産から復帰したばかりの頃の練習について、「体がついてこない。目は動くのにって感じ。(状態は東京五輪の時と比べて)半分以下じゃないですか」と振り返ります。

それでも当初から、出産の約7か月後にある全日本選手権での優勝を目指していたこともあり、地道な練習を重ねて体の調子を少しずつ取り戻したそう。

その結果、全日本選手権当日では強敵たちから勝利を奪い、みごと優勝を果たしました。​

日本一に輝いたあと、“今の気持ち”を問われ、梨紗子選手は「戻ってきたなと。久しぶりにマットに上がって、勝つ負ける以前に自分よく戻って来たなと。自分に甘いのかなと思うんですけど、よくやってるなと思いました」と、胸の内を打ち明けてくれました。

小学生の頃からやっているということもあり、「レスリングのない生活が考えられない」という思いから、出産後も現役続行の道を選んだ梨紗子選手。パリ五輪で活躍する姿を見るのが楽しみですね。

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