―――筑波大学の中村逸郎名誉教授です。アメリカの戦争研究所は「ロシア軍がルハンシク州で大規模攻撃開始」と発表しました。ルハンシク州は、一時期はウクライナ軍も陣地を奪還していたということなんですけども、非常に激しい攻撃が始まっているということです。中村先生によりますと、「年次教書」発表に向けてプーチン大統領は成果が欲しいということなんですか。
筑波大 中村逸郎名誉教授:そうなんです。今月の20日か21日かどっちかで年次教書を発表するということで・・、年次教書って何かって言いますと、1月2月に今年どんな政策をどういう方針でいくかっていうことを官僚とか政治家の前にて提示するのものです。2022年は戦争を始めたためにしなかったんです。今年はやんなくてはいけないっていうことで、20日か21日ということで、それまでに実は大規模な攻撃が開始されるんじゃないかっていう話はずっと出てたんですね。
戦果を年次教書で誇るために、ルハンシク州とか、ドネツク州を完全制覇するんじゃないかという予想は出てたんですけども、今朝方、こういった形で大規模攻撃が開始されたというニュースが飛び込んできたのです。もう一つザポリージャ州でも攻撃が始まったと。ルハンスク州のハルキウ、ウクライナ軍が奪還したところにも、また攻撃を始めてるというニュースが飛び込んできています。
―――現在のプーチン大統領は非常に焦ってるんじゃないかということなんです。中村先生によると理由の一つ目が、ゼレンスキー大統領のイギリス・フランスの電撃訪問です。英仏そして独の首脳と会談して、EU首脳会議にも出席した。これをみて焦ってるんじゃないか。ゼレンスキー大統領が自由に外国に行ってるじゃないか、なぜ阻止できないんだ、彼は5月のG7の広島サミットにも行く気らしいが・・、こういったことを非常に気にしてるってことですか。