宮城県白石市の小学校で、防球ネットの支柱が折れ児童2人が死傷した事故から27日で、1年となります。
死亡した児童の遺族がtbcの取材に応じ、1年前の突然の別れを振り返り、悲痛な
胸の内を語りました。
白石市の松野久郎さん(69)です。

1年前、白石第一小学校の6年生だった孫の翔慎さん(当時11)を亡くしました。

松野久郎さん
「1年経ったねというよりは、きのうのことのように(思い出す)。亡くなってからそういうシーズンが来るたびに、夏が来て、冬が来て、ここに行ったねとか…そういう思いがあって辛かった」
松野さんは今年3月、翔慎さんが出席するはずだった卒業式に出席。
翔慎さんの代わりに卒業証書を受け取りました。
松野さん
「これが翔慎の卒業証書です。ここに番号が入っていないので実際は(仮の)卒業証書というのになるんですが…。代わりに私がもらっても…。
すごく辛かったですね」

去年4月27日、白石第一小学校で、児童数人が校庭に設置された防球ネットに寄りかかるなどして遊んでいたところ、木製の支柱が折れ男子児童2人に当たりました。
この事故で翔慎さんが頭を強く打ち死亡。
もう一人の児童も重傷を負いました。

事故の原因となった防球ネットについて学校側は、設置された時期や経緯を把握していませんでした。
管理責任を怠ったとして、今年2月には校長と主幹教諭が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されました。
松野さん
「いつ立ててどんなふうに管理してきたか、そういったことがちゃんと伝えられていなかったというのが大きな落とし穴」
事故調査委員会は、支柱が30年以上前に設置され劣化が進んでいたにもかかわらず点検は月に一度、目視での確認のみだったことなど、学校側の安全管理に問題があったと結論づけました。
事故調査委員会 本図愛美委員長
「結果としてこういう重大な事故が起これば、点検は十分だったからよかったですよねとはならない。学校には厳しいことを申し上げていくと思います」

松野さんは遺族のひとりとして、子どもが被害者になる事故が今後起きないよう、行政を含め、学校での安全対策を改めて考え直すべきだと訴えます。
松野久郎さん
「危険マップとかそういうのを作ってているときに、先手先手で考え方を変えていかないと、こういう事故はなくならないと思う。危ないなと思っていた時に、なんでそれが出来なかったのかというのが、これまでもそうだったと思うけど、これからの課題だと思う」
