第51回全日本実業団ハーフマラソンが12日、山口市の維新百年記念公園陸上競技場を発着点とする21.0975kmのコースで行われる。男子は前回優勝者の林田洋翔(21・三菱重工)が2連覇に挑む。

対抗するのは佐藤悠基(36・SGホールディングス)と古賀淳紫(26・安川電機)で、MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ ※パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)出場資格を持つ2人。さらには日本選手権10000mに優勝経験のある大六野秀畝(30・旭化成)、茂木圭次郞(27・同)らスピードランナーも黙っていない。そして千葉大大学院卒業の今江勇人(25・GMOインターネットグループ)がダークホース的な存在だ。

「去年は勢いだった」と言う林田

今大会の上位選手はハーフマラソンの海外大会に派遣される。前回優勝の林田は「世界ハーフマラソンでしっかり戦うには60分をちょっと切るくらいではなく、59分40秒台も」と意気込み、日本記録だけではなく世界で戦うレベルの記録も視野に入れて臨む。

ただ、自信の程度を問われると「正直、ないです(笑)」と率直に答えた。「ないですけど、やるからにはしっかり行きたい。去年は勢いで行けた感じだったので、今年は力が付いたことをしっかり見せたい」と語り、実業団3シーズン目の21歳だが、スポーツマンらしくチャレンジする姿勢と、自分を冷静に見つめる部分を併せ持っている。

前回は最初の5kmを14分29秒で入り、10kmまでを14分22秒、15kmまでを14分23秒、20kmまでを14分21秒という5km毎のスプリットタイムを刻んだ。最初の5kmは上りがあるため若干ペースは落ちるが、ほぼイーブンペースで走り切った。

「今年は最初の5kmを14分20秒切ったくらいで入れればと思っています」と林田。そのリズムなら5km以降は14分13秒前後になる。5km平均14分13秒を21.0975kmに換算すれば1時間00分00秒だ。最初の5kmのマイナスをどこで取り戻すかという計算よりも、昨年のように終盤まで競り合いになれば、自然とタイムは上がる。勝負に勝てば記録も期待できる。