“愚か者め”発言 「言いたいことは間違っていない」

議長
「子ども手当支給に関する法律案に賛成の方の挙手を願います」
自民党 丸川珠代参院議員
「愚か者めが。このくだらん選択をしたバカ者ども絶対忘れん」
(2010年 参院厚労委)
ーーこれは2010年の採決で、所得制限をなくす子ども手当を民主党政権が作ろうとしたと。バラマキじゃないか、お金を持ってる人にもなぜ配るのかと怒ってるわけですね。この丸川発言を今、どうご覧になりますか。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
確かに表現がちょっときついんですけど、私は言ってる内容、言いたいことは間違っていないと思うんですよね。この少子化対策もコロナもそうなんですけど、どうも最近ポピュリズムというか、とにかく色々な問題が起こったときはバラまけばいいということばっかりになって、正直言って、次の世代のことをみんな考えてないんじゃないかなと。特に財政規律の問題をあまりにも安易に考えてるんじゃないかなと。
そういう面では丸川さんが言おうとしたことは、もっと財政規律を考えたらどうかということだったと思うんで、発言内容自体は別に。表現はちょっときつかったですけどね。ただもうちょっと考えていただきたいのは、本当に少子化対策に現金支給が効果があるのかどうか。私は効果はほとんどないとみているんですよ。本当に大事なのは、女性の人口とか婚姻率だとか有配偶者の出生率とか、そういう対応策をしなきゃいけないんだけど、そういうことはさておいて「とにかく現金支給したらいいんだ」と。
もう一つ大きな問題は、岸田さんは「(子ども予算に)4兆円」って単純に言うんですけど。これを赤字国債でやったら、もうますます財政が大変なことになるわけで。税でやると消費税上げるしかないですね。それだけでも2~3%上げないと追いつかないわけです。今のような物価高とかインフレの状況において、国民のみなさん方の生活が困窮してるのに、消費税を防衛費も含めて上げる余裕があるのかどうか、そこら辺をもっとみんな落ち着いて考えてほしいなということですね。
ーー逆に言えば、消費税を上げなければ4兆円という手当はできないってことですか。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
赤字国債を出すのはいとも簡単にできるけども、結局それは次の世代が負担するわけですから。結局はもらって倍返ししなきゃいけなくなるわけで、それは次の世代にとっては非常に大変な負担をかけると思いますね。
ーーつまりは異次元の少子化対策で「倍増する」っていうと、消費税に手をつけると。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
それをやるしかないんですよね。もう一つ大きな問題は、子育て世帯っていうのは全世帯の20%しかないんです。他の8割の世帯に対して説得ができるかどうかですよね。
ーー茂木幹事長も代表質問でいきなり児童手当について「『すべての子どもの育ちを支える』という観点から所得制限を撤廃するべき」と。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
たぶん選挙が近くなったから茂木氏はそう言ったんだと思うけれども、これが本当に政策の筋として正しいかどうかはきちっと考えるべきだと思いますね。それから東京都も5000円で年間6万ですか、やるっていうんですね。東京都のように財政が豊かなところはできるけど、できない地方自治体はできない。格差が広がっちゃうんですね。やはりそういう問題も全体を見て考える必要がある。だから私は、自民党の幹事長が本当にこう言い切っちゃって大丈夫かなと思いますね。
ーー将来的な子ども予算の倍増っていうのは岸田総理が言い出した話ですが、時期は明示してないんですよね。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
いやまさにそれでね、本当の少子化対策とはもっと他のことがあるべきだと思うんですよね。そういう対策は全然言わないで、予算だけつけると。それはあまりにも本当の少子化対策になってるのかなと思うんですよね。