自民党の“良識派”を自認する村上元行政改革担当大臣が久しぶりの登場です。
党役員停止処分を受けて半年、ここにきての政治状況に「黙っていられない」と怪気炎。丸川珠代議員の「愚か者めが」発言の裏側、「子ども予算」倍増と消費税の関係、そして、秘書官「LGBT差別発言」問題、政務秘書官「土産」「観光」報道と歯に衣着せず、ズバズバ語りつくします。瀬戸内の“村上水軍の末裔”の面目躍如。是非、ご覧ください。(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)
元秘書官のLGBT差別発言 「時代遅れを露呈しちゃった」

ーー総理が同性婚の法制化をめぐり、予算委員会で「社会が変わってしまう課題」と答弁。それを受け、荒井前秘書官が「性的少数者や同性婚について見るのも嫌だ。秘書官室もみんな反対する、同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」といった趣旨の発言をし、更迭されました。荒井前秘書官はスピーチライターを務め、予算委員会の総理答弁の取りまとめ役でもあったわけですが。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
そもそも、この問題に関して国の対応が遅れてたのが大きな問題だと思うんですね。制度的にはちょっと時代遅れかなと。それでちょっと心配だったのが、荒井さんの発言の中で、他の人も同じような考えだというふうに言ったんで、そうするとね、官邸全体がそういうような考えなのかなって取られるのが、やっぱり非常にまずいんじゃないかなと。
ーーそのことについて官房長官は後で否定はしてるんですけれども。荒井さんはすごいやり手の方なんですよね。日常的に総理の相談相手で、いわば「懐刀」。その人を更迭する事態っていうのは政権として打撃に見えるんですが。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
そもそも荒井さんは本当は政策とかそっちが主だったんですけど、広報担当がちょっとうまくいかなかったんで、そっちをやらされてこういうことになって、かわいそうなとこがあるんですが……ただやっぱりね、私最近つくづく思うんですけど、もっと秘書官はやっぱり政策的に全体をコントロールできる司令塔とか、この国のグランドデザインをどうするかとか、そういうことを提言できる人をもっと雇わなきゃいけないんじゃないかと思うんですよね。そういう面でちょっと人材不足かなという感じ。
ーーただ、この差別発言は、国際基準からみたら相当深刻な発言だと思うんですよね。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
だから、日本自体が世界においてかなり時代遅れというか、それを図らずも露呈しちゃったってことですよね。
ーー深刻なのが、総理の発言について記者から聞かれて答えてるんですよね。同性婚についての背景説明と。だから、この政権の本音の部分が出たんじゃないかっていう見方も。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
こういうデリケートな問題は非常に慎重にやらなきゃいけないんだけど、そもそも政策担当の人が広報担当になってね、そこら辺がかなり注意が足りなかったような気がしますね。
ーーこういう「社会が変わってしまう課題」っていう発言は安倍派を中心とした党内保守派への配慮もあるんですか。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
私が心配してるのは、これからの国防や外交もそうなんだけど、岸田さんに独自にやって欲しかったんですが、残念ながら今のところ、安倍政権の踏襲をずっと続けちゃってるのかなと。だから結局、安倍さんがやってこようとしたことをそのまま、いろんな面をずっと受け継いできてるんじゃないかなと思って危惧しております。
ーー「LGBT理解増進法案」については、引き続き提出に向けた準備を進めているということで、総理も成立を目指す考えを示しています。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
だからもうそれはなるべく早く対応したらいいと思うんですが、例の統一教会の法案もそうなんですけど、コトが起こって表沙汰になってから泥縄式でやるというのが、ここのところ続いてるんですよね。だからそういう問題はやっぱり常に検討して準備しておく必要があったんじゃないかなって気がしますよね。
ーーLGBT理解増進法案は成立させられると思いますか。
村上誠一郎元行政改革担当大臣:
それは総裁がやるって言ってるんだから、それを見守るしかないんですけどね、なるべく早くやるに越したことないと思うんですが、ただ、統一教会のときの問題もそうなんですけど、あまり拙速でね、きちっとやらないとまずいんじゃないかなって気がしますね。