安全保障政策が大転換されるなか、今進んでいるのが日米の軍事面での一体化です。それを象徴する現場が鹿児島県にありました。加速する一体化の先にあるものとは何なのでしょうか。

加速する日米軍事一体化とは

CIA(米中央情報局)のバーンズ長官は中国による台湾侵攻の可能性について、こう発言した。

CIA バーンズ長官
「習近平主席が、軍に台湾侵攻の準備を2027年までに整えるよう指示したという情報を得ています」

また、戦略国際問題研究所は、中国が“台湾統一”に向けて軍事侵攻に踏み切った場合のシミュレーション結果を公表した。

米軍が台湾防衛のために参戦した場合、中国は早期制圧に失敗。だが、それには条件があった。日米が軍事協力を深め、日本国内の基地を使うことだった。

日米の軍事的な一体化が加速する中、各地の自衛隊基地では米軍との共同使用が進んでいる。

日米軍事一体化 無人機運用でアメリカ軍が駐留する町

それを象徴するのが鹿児島県鹿屋市にある海上自衛隊・鹿屋航空基地。すぐ近くには、太平洋戦争中、特攻隊員たちが出撃する前に寝泊まりしていた宿舎があった。

敵国・アメリカに立ち向かうために、最も多くの特攻隊員が出撃していった鹿屋基地で今…

記者
「無人機MQ9の周りで、複数のアメリカ兵が作業をしています」

日米は、中国の軍事力強化や海洋進出の活発化を受け、“琉球の弧”といわれる南西諸島を重要な場所と位置づけているが、九州最南端にある鹿屋基地に2022年11月、1年の期限で米軍の無人偵察機「MQ9」8機が配備された。

防衛省によると、航続距離は約8500キロで中国などを監視するための運用だという。

一方で、MQ9は通称「死神」と呼ばれ、武器の搭載も可能な無人機だ。これまでアフガニスタンやイラクでの軍事作戦で使われたこともある。