
LE-9単体の燃焼試験は何度も行われていましたが、去年11月にH3の機体にLE-9を
取り付けた燃焼試験を発射場で初めて実施。
この試験は打ち上げに向けた最終試験でもあり、本番で使う2基のLE-9を25秒間燃焼させました。
その結果、良好なデータを取得できたと同時に、打ち上げ延期の原因となったトラブルも解消されていることが確認できました。
最終試験をクリア、次に待ち構えているのは打ち上げ本番です。

■直前で打ち上げ中止…JAXA担当者涙の会見
そして迎えた1回目。2月17日午前10時37分、満を持して臨んだ打ち上げで、H3ロケットは補助ロケットSRB-3に着火せず、0.4秒前に中止。ロケットは打ちあがりませんでした。
カウントダウン中にメインエンジンのコントロール装置への電力供給が止まり、直前で中止される事態になったのです。

JAXAでH3ロケットの責任者を務める岡田匡史氏プロジェクトマネージャは、この日に開いた会見の中で、「きょうの日を待っていたミッションのオーナーや見守ってくださっていた方が大勢いますので、申し訳ないと思っているし、悔しいです」と涙ぐみながら受け止めを話しました。

JAXAはその後2週間余り原因究明と対策を進め、再挑戦となりました。
「今度こそ」の思い乗せ 7日午前10時37分55秒打ち上げへ
再打ち上げへ臨むH3ロケットは6日午後4時、組み立て棟を出ておよそ400メートル離れた発射地点へ移動しました。

2014年から始まったH3の開発費用は2060億円に上ります。
日本の宇宙開発を担い、世界の打ち上げ受注ビジネスで勝ち抜くための一大プロジェクトのH3。
H3初号機は、「今度こそ」の思いを乗せて、7日午前10時37分55秒、鹿児島県の種子島宇宙センターから飛び立ちましたが、第2段エンジンが着火しないトラブルで、「ミッションを達成できない」と判断。機体に指令破壊信号が送信され、打ち上げは失敗しました。