H3が打ち上げられる種子島で生まれた三菱重工業の坂中志朗さん(44)はメインエンジンLE-9の組み立てで現場リーダーを務めています。

「世界一美しいロケット発射場」と言われる種子島宇宙センター

鹿児島県の種子島の南端にある種子島宇宙センターは三方を海に囲まれ、「世界一美しいロケット発射場」とも言われています。

ここで子どもの時に家族で見たロケットの打ち上げが坂中さんの原点となっています。

(三菱重工業・坂中志朗さん)
「やりたい仕事を思い起こさせてくれたのは最初に見た打ち上げ。自分の人生は種子島があってこの仕事ができている。」

坂中さんはH2AのメインエンジンLE-7Aのメンテナンスなども担当し、ロケットのエンジン技術者として働いてきました。

多くの企業や人が関わるH3のメインエンジンLE-9の開発で、坂中さんは組み立てを担当しています。

LE-9はH2AのLE-7Aよりもシンプルになっていますが、設計図があっても部品同士がかみ合わないなど想定外の事態も。

現場の技術者で取り付けの工法を考えて乗り切ってきました。

三菱重工業・坂中志朗さん

組み立てられたエンジンは燃焼試験をクリアしないと打ち上げに使えません。

H3のメインエンジンLE-9の開発は苦難の連続でした。