次の震災が起きる前に、が大事
ただ、とにかく、早くこうした耐震技術を普及しなければいけませんが、これについては、東京大学の目黒さんも、こう指摘していました。
東京大学(都市震災軽減工学)教授 目黒公郎さん
「2015年4月25日にネパールで地震があって、そこでは9千人以上の方が亡くなりました。翌26日に、日本は70人の専門家たちを、最新の機材と一緒に、特別機でネパールに派遣しました。延べ11日間、レスキューオペレーションを被災地でやったんですが、実際はどれぐらいのことができたかというと、生存者の救出はゼロでした。事後対策で救える命というのは非常に限定的なんですね。経済的にも、事前に構造物などを強化する方が、トータルとしての出費も減ります。だから、いかに、事前の対策が重要かということになります」
地震が起きてからでは救えません。今回のトルコの地震では、速やかに救助を進める一方で、他の地域の組積造の建物への対策を急ぐ必要がありそうです。
(2022年3月22日放送 TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」から再構成 取材:田中ひとみ)