
こうして、約半年の構想期間を経てガラスペンの形が定まりました。ただ、これまでの『津軽びいどろ』とは、『細さ』と『小ささ』に違いがあり、社内に4人しかいない県の伝統工芸士にとっても製造には難易度の高い作業が待っていました。
ペンの柄の部分を担うのが職人歴26年の舘山美沙さんです。
※北洋硝子 舘山美沙さん「細いとか小さいものは温めにくい。なので細かく作業して温めないとすぐ硬くなってしまう。均等に焼かないと一つずつサイズがそろわなくなるので。巻いてくる段階の(ガラスの)量の問題や焼き加減とか、一発でくくらないといけない、全てが兼ね揃えている」



長年培ってきたスピードと正確さはペン先との接合作業にも求められます。担当するのは、この道32年のベテラン、神正人さんです。
※北洋硝子 神正人さん「くっつける時に手が震える。なるべく髪の毛の太さを目指して最後引っ張っている」


こうして完成したリンゴのガラスペンは、2022年4月に発売されました。当初、年間300本の販売を見込んでいましたが、2022年の12月末までに予想を大きく上回る1000本近くが売れ、評判も上々だということです。


※河村庸市キャスター「思ったよりもすごく軽いです。リンゴの溝に指先がフィットして持ちやすい。書いてみると、スラスラと書けます。書き心地も抜群です」
