高齢者が安心して飼育できる『預かりボランティア制度』も

 こうした状況を少しでも解消しようと取り組んでいるのがネコの預かりボランティア制度です。尼崎市内に住む70代の夫婦はC.O.Nの紹介で約1年半前から高齢ネコのシオちゃんを預かっています。

 (シオちゃんに話しかける70代夫婦)
 「はい、ここおいで。シオちゃん」
 「動く気ないな」

 譲渡先が見つかったり、万が一、夫婦の体調が急変して飼えなくなったりした場合は、C.O.Nがもう一度引き取るシステムになっています。

 (シオちゃんを預かる70代夫婦)
 「ネコ飼っていたからね、私ら若いころ。預かりくらいはしてもいいかなと思って。若いネコはよう飼わないし、(通常の飼いネコの場合)もしものことがあったら譲らないとしかたないけど、そんなかわいそうなことをようせんしね」
 「(ネコが)おったほうがいいですね。嫁さんとだけやったら息が詰まるんで」
 「潤滑油やね、ネコちゃんはね」

 シェルターに加えて預かりボランティアを多くの人にしてもらうことで、保護できるネコを増やすこともできます。さらにペットと暮らしたい高齢者が安心して飼うことができる仕組みにもなっているのです。

「飼うことで高齢者が元気得られることもあるしネコも助かる」

 C.O.Nの桑畑さんは、こうした取り組みを通して、高齢者もペットも取り残されることのない世の中になればと話します。

 (NPO法人C.O.N 桑畑和子副理事長)
 「高齢者だからペットはすべて不可、ではなくて、飼うことによってその人が元気を得られることもありますし。またそうやって飼っていただけたらネコちゃんも一匹でも多く助かるわけですよ。ペットも人間も同じように幸せになれるような社会になれたらいいなと思っています」