「社会意識を変えて」「みんなで子育ての支援をしていく」

ーー異次元とは予算2倍ということ?

小倉將信 内閣府特命担当大臣:
子ども予算の将来的な倍増に向けた大枠ということなので、予算は焦点になると思います。
ただ、予算だけではなくて、制度的な支援をしっかりやっていかなければいけませんし、結婚する前の段階で若い人たちの所得が伸び悩んでいるということありますので、そういったところからリスキリングして、若い人たちの所得を伸ばしていくことも必要だと思っています。
もう一つ、総理が先日の本会議で申し上げたように、経済的な支援とか制度的な支援は我々で責任を持ってやっていきますと。それだけではなくて、やはり社会意識を変えていかなきゃいけないということなのです。
アンケートをとると、国が子育てにやさしいと思っている人の割合はスウェーデンでは6割弱ですが、我が国はわずか8%です。ベビーカーを押せば舌打ちされる、子どもを連れてレストランや電車に乗っていけば白い目で見られる。子どもが熱を出して休もうとすると上司からしかめっ面をされる。そういう雰囲気だと、「子どもを持ちたい」って思わないと思うのです。
そういう意味では、社会意識を変えていって、子どもを「持っている」人も「持たない」人も「持っていない」人も、あるいは、個人であっても法人であっても、行政であっても、地域であっても、みんなで子育ての支援をしていくと。子育て世代に対して、子どもに対して「もう一回温かい眼差しを持ち直そうよ」というような、社会機運の醸成みたいなものもしっかりやっていくというのが、この「異次元」「次元の異なる」というキーワードに含まれているのかなと捉えています。

「たたき台」作り 3月末までに凝縮した議論で進める

ーーたたき台作り、その第1回の会合が開かれたということですけれども、ネットでたたかれたとか?

小倉將信 内閣府特命担当大臣:
出席者が男性ばかりというのと、子育ての当事者がいないじゃないかというご批判をいただきました。ちょっと弁明しておきますと、これは局長級会議なので各省庁の局長級を集めているんです。確かに国家公務員の中で課長職と課長補佐までは増えているのですが、局長になると女性が少ないというのもありますし、まだまだ年功序列ですので局長ばかり集めるとこの年次になってしまうんです。若ければいいということで課長補佐をこの中に入れても、それぞれの部署で責任のある合意ができるか、議論ができるかというと、そうではありませんので、関係省庁会議がこの形になるのはお許しいただきたい。
ただ別に子どもや子育て当事者の意見を聞かないわけではなくて、この後ヒアリングで若者や子育て当事者からお話も伺いますし、この会議を開く前までに、冒頭で申し上げたようにかなり入念に綿密に意見を聞く会を重ねてまいりました。そこで得た意見や声をこのたたき台の策定に向けて反映していきたいと思っています。
3月末までに作るのですが、「そこまで悠長にやっている場合か」とネット上で言われるのです。我々の感覚では、3月末までにたたき台を作って6月に骨太の方針というのは、これだけの大きな課題に対して、これだけの短い期間で結論を出さなければいけないのは、相当タイトなスケジュールだと認識しておりますし、その期間で、前倒しでやってくれというのは、それだけ総理が少子化対策にかける情熱が大きいということの表れだと思っております。