異次元の少子化対策 「穴なく、漏れなく考える姿勢」が求められる

ーー少子化対策の方向性を3つ出されました、これまでずっとこの方向性は出ていたはずなのに、その結果が出てないという気がする。これを飛び越すと言う意味での異次元ですか?

小倉將信 内閣府特命担当大臣
結果が、出ていない、出ていないと言われすぎると、その政府の少子化対策自体のこれからの信用性が失われてしまうかと思いますので、きちんと説明しておきたいと思います。
先ほど申し上げたように少子化担当大臣ができてから出生率は“なだらかに回復傾向”にあったのも事実です。例えば2つ目。「伴走型支援」としか書いてありませんが、その前に「幼児教育と保育の質量共の強化」と書いてあります。待機児童の話で言えば、かなり保育幼児教育の無償化とあわせて保育所の整備をやってまいりましたので、ひところは2万6000人を超えていた待機児童の数も足元では3000人を切るまでになっていますね。政府の政策が全く有効でなかったかというとそうではなくてやるべきことはやっていた。
ただ、やはり反省すべきかというと幾分「対処療法的」ではなかったのか、あるいは「漸進的」ではなかったのか。あるいは、その動的で捉えるべきところを、静的な対応にとどまっていたのではないかというのが私の問題意識ですね。
今、女性の管理職も増えておりますので、単に働くだけではなくてキャリアも追求できる働き方をせねばならないところを、育休の取得率でも女性が85%超えているのに男性は14%弱にとどまっている。
だから働き方が変わっているにもかかわらず、そういったものを捉えて人道的にダイナミックな子育て支援、少子化対策を打ち出さなかったという意味では、次元が異なる少子化対策という意味では、より「穴なく漏れなく」、将来を見越した上でバックキャスティングに今の少子化対策を考えていくっていう姿勢が求められているのではないかと思います。
これまでは例えば働き方改革と少子化対策が必ずしも意識的に結び付けられていなかった。男女共同参画と少子化対策が必ずしもそうでなかった、あるいは住宅政策と少子化対策が必ずしも強く意識されてこなかったということですから、今回は関係府省を集めて、それぞれの政策と少子化対策や子育て支援をしっかりと結び付けていかなければいけないと思っています。