「小倉大臣の下、異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代のからようやく政府が本気になったと思っていただける構造を実現するべく大胆に検討してもらう」
2023年の年頭会見でこう述べた岸田総理は、こども政策担当の小倉將信大臣に3月末を目途にたたき台を取りまとめるよう指示した。
施政方針演説では「こども・子育て政策」を最重要政策と位置付け、6月の骨太方針までに、将来的なこども子育て予算倍増に向けた大枠を提示するとした。
番組は小倉大臣に、3月末までに子育て政策のたたき台をどう取りまとめていくのか、少子化対策の方向性を聞いた。
(「国会トークフロントライン」1月27日放送 聞き手:川戸恵子)
「異次元」の少子化対策 小倉大臣も知らなかったキーワード
ーー(岸田総理が年頭会見で)「異次元の少子化対策」とおっしゃった。小倉大臣は知っていましたか?
小倉將信 内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画):
総理があるいは政権として少子化対策に力を入れるということは聞いておりましたけれども、この「異次元」というキーワード、フレーズは1月4日の総理の年頭会見で初めて知りました。
でも、着任して4か月以上、相当、少子化対策ですとか、子ども政策に関して子どもや当事者あるいは、有識者の先生方と議論を重ねてまいりました。そういう意味では、かなり議論してきたものを土台にして総理がしっかりと方向性を示していただいたので、今年に入ってさらに煮詰めていく段階に入ったのかなと思っています。
少子化への危機感

ーー少子化、やはり大問題?
小倉將信 内閣府特命担当大臣:
少子化担当大臣が初めてできたのは2005年あたりです。
そのときの出生率が最低の1.26で、そこから緩やかに回復はして1.45まで回復したのですが、コロナ禍で様々な行動の制約があってまた出生率が低下してしまい、(出生数は)一昨年81万人で、昨年は80万人を切ってしまうと言われています。非常に深刻な状況であって、まさに少子化の骨格は真っ先に取り組まなければいけない重要課題になっているという思いを新たにしています。
少子化の要因は「複合的なもの」
ーー子どもが増えないのは、教育費や出産費用の高さ、住居の狭さだったり、結婚しづらい、結婚しないというのもありますね。
小倉將信 内閣府特命担当大臣:
少子化の要因は複合的なものだと思います。
まずは結婚する前の段階で若い人たちの非正規化が進んで、所得自体も伸び悩んでいます。経済的に安定していないのでなかなか結婚に踏み切れない、子どもを持てないということもあるでしょうし、あるいは昔で言えばお見合い結婚や結婚相談所を通じた結婚がありましたけど、その割合が過去60年間ぐらいで10分の1になったのです。
だから職場や学校を通じた恋愛結婚はの割合はそんなに変わらないのですけど、そういった(お見合いや結婚相談所での)結婚の機会がなくなっている中で、やはり若い人に聞くと、適当な相手に巡り会わない、出会う機会がないというのも多かったりします。
もう一つは経済的な要因が大きいと思っていて、子どもをたくさん持ってらっしゃる方に2人目、3人目を持ちたいかと聞くと、やはり教育費とか子育ての費用が非常に高くついて子どもをさらに持ちたいけど持てないという方がたくさんいらっしゃるのも事実です。
最後3点目は、最近共働きの家庭も増えています。
共働きの家庭が片働きの家庭の倍を超えました。そういった中で女性が子育てとキャリアを両立しようとするとなかなか果たせない現状があります。いわゆる育児・家事の負担割合が男性に比べて女性が日本の場合5.5倍と圧倒的に多いのです。女性に(育児・家事の)負担が偏っている中で、両方やろうとするとスーパーウーマンじゃないとこなせない状況で、裏を返せばキャリアを会社で追求しようとすると子どもを持つことを諦めてしまう人も、かなり多いと思います。















