消費税減税は本当に「得」なのか
昨今議論されている食料品の消費税減税についても考えてみよう。食べ物の値段が下がることは、日々の生活において直接的なメリット(小さい得)と感じられる。
しかし、経済学者の8割、そして多くの経営者はこの減税に反対している。専門家たちが警鐘を鳴らすのは、その先に待つ「大きい損」である。
減税は国の財政悪化を招き、日本政府への信用低下に直結する。信用が揺らげば海外の投資家が日本円を売り、円安がさらに加速する。
円安は輸入品の価格を押し上げ、結果的に物価全体の上昇を招く。さらに金利が上がれば、住宅ローンの負担も重くのしかかる。
総務省の家計調査によると、単身世帯の年間食費は約42万円。仮に消費税8%がなくなれば約3万1000円の負担減となる。2人以上の世帯(年間食費約80万円弱)では約5万8000円の負担減である。
しかし一方で、物価全体が3%上昇すれば、家計トータルでは6〜7万円の支出増となり、差し引きで「損」になる可能性が高い。目先の利益を追うことで、より大きな不利益を被る危険性が潜んでいる。














