構想日本の加藤秀樹代表が、日本の現状や未来への提言を語るOBSラジオ「加藤秀樹が語る、日本の未来構想」。今回のテーマは、日本の現状を考える上で極めて重要な「小さい損得、大きい損得」。目に見えやすく分かりやすい短期的な利益や損失(小さい損得)の裏には、すぐには見えにくいものの、長期的には社会へ甚大な影響を及ぼす問題(大きい損得)が隠れている。

ごみ袋の値上げや子どもの医療費の裏側

加藤氏は自治体のごみ問題という身近な例を挙げる。兵庫県淡路市では、ごみ問題を一般市民が議論する「自分ごと化会議」が開かれた。論点の一つが「ごみ袋の値上げ」である。

1枚44円のごみ袋が値上げされれば、市民にとっては直接的な負担増(小さい損)となる。 しかし、他の自治体の事例を見ると、価格が上がれば人々は自然とごみを減らす努力をする。

ごみが減れば、焼却や運搬にかかっている数億円規模の税金が削減でき、浮いた財源を防災や交通インフラ、子育てなど、他の重要な行政サービスに回すことができる。これこそが長期的な視点での「大きい得」である。

また、多くの自治体で導入されている「子どもの医療費無料化」も同様である。子育て世帯にとって医療費無料化は大きなメリット(小さい得)であり、近隣自治体が導入すれば、選挙の際に首長や議員が「うちの町でも導入する」と追随するのが通例である。

しかし、その財源は税金であり、裏では防災対策や公共交通の維持など、他の重要な事業予算を圧迫している。人気取りの政策が増えることで、一つの「得」の裏に、見えない「大きな損」が生まれているのが現実だ。