長さ100mの杭!?驚きの地すべり対策とは

昔から、地すべりが起きやすい地域として知られてきた亀の瀬。地すべりの最大の原因となるのが、“すべり面”と呼ばれる粘土質の層。そこに水が溜まることですべりやすくなり、上の地面を動かしてしまいます。
亀の瀬は世界中から研究者が訪れて調査するほどの地すべり多発地帯で、昭和6年の地すべりが起きた際は、2万人もの見物者が訪れたほど。珍しいものを見たさに多くの人が集まったと言います。
現在は山に7本もの排水トンネルを設置し、地中に水をためない対策をしているため、大規模な地すべりは60年近く起きていません。
もし現代に、亀の瀬で大規模な地すべりが起こった場合、土砂で川が塞き止められ、上流の奈良側に大水害が発生。そして、溜まった土砂の塊が一気に決壊すれば、大阪の都市部を土石流が襲い、その被害総額は6兆円になると算出されています。

今回は特別に許可をいただき、7本の中で初めに造られた「第一号排水トンネル」の中に入らせてもらうことに。
昭和44年に造られた「第一号排水トンネル」は、平成17年に今の形に造り替えられ、硬い岩盤と粘土層の間の“すべり面”が実際に見られる場所も設けられています。

奥へ進むと、水を抜く立坑(たてこう)の「集水井(しゅうすいせい)」が現れます。この集水井は地上まで約25m。全部で54基あり、集水井に刺された無数のパイプによって、地中の水を効率よく抜き続けているとのこと。集まった水は、排水トンネルを通って外に排出されます。
7本の排水トンネルに、30~60mのパイプを3000本以上刺し、日々水を抜き続けているそうですが、重要な設備は他にも。

地すべりの動き自体を物理的に抑える対策として、直径6.5m、長さ100mもある鉄筋コンクリートの杭が、なんと55本も地中に刺さっていると言います。もう一回り小さな杭も合わせると、全部で170本とも。
そんな実際の杭が地表に出ている場所もあり、実物を体感することができます。
CBCテレビ「道との遭遇」2026年3月10日(火)午後11時56分放送より














