偶然発見!地すべりで77年間埋もれていた「亀の瀬隧道」

目的の場所に到着すると、「旧大阪鉄道亀瀬隧道」と書かれたコンクリート製のトンネルが現れます。中へ入りしばらく歩くと、「この先は埋まっていて、その先へは行けないようになっている」と鹿取さん。

入口は平成になってから造られたもので、トンネルの中で分岐した右側の道こそが、明治25年に竣工した幻のトンネルと言われる「亀の瀬隧道」。分岐から亀の瀬隧道に入ると、レンガ造りの壁面へと姿を変えます。
「レンガはイギリス積み」と鹿取さん。長いレンガと短いレンガを交互に積み、強度を高めているそう。また、「天井が所々黒くなっているのは、SLの煤煙(ばいえん)」と続けます。
さらに進むと、大量の土砂が埋め尽くしており行き止まりに。

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「昭和6年に地すべりが起こってトンネルが崩れてしまった。この土砂は、崩れたままの状態を見てもらおうということで整備されている」
亀の瀬隧道が開通してから約40年後の昭和6年。亀の瀬史上最大規模と言われる地すべりが発生。約1km四方の山が動いたという未曽有の大災害で、横を流れる大和川が、水平に約30mも移動するほどの衝撃でした。そして、亀の瀬隧道も地すべりにより崩落。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「幸い、列車が埋まるような被害は無かったが、原型をとどめないぐらい崩れてしまい放棄された」

亀の瀬隧道が閉鎖された当時、緊急対応として東西それぞれに仮駅を設置。乗客はしばらくの間、仮駅間の約2kmにも及ぶ山道を徒歩で往来していたそう。この事態を受け、突貫工事で対岸に新たな線路を建設。わずか1年足らずで開通にこぎつけました。
その後も断続的に地すべりは起こり続け、ついに亀の瀬隧道は完全に地中に埋もれてしまい、年月とともにその存在は忘れられていきました。しかし…
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「平成20年に水を抜くためのトンネルを掘る工事をしているときに、たまたまこの亀の瀬隧道が発見された」
平成20年、地すべり対策で実施した排水トンネルの掘削工事中に偶然ぶつかったのがきっかけで、地中に77年間も埋もれていた「亀の瀬隧道」を発見。

少しでも掘る場所がズレていたら発見されなかったという奇跡。さらに、長年地中に埋もれていたとは思えないほど、綺麗な状態を保っていたことから、“幻のトンネル”と言われています。
随所には周辺の岩盤の状態を調べるために開けられた穴があり、強固な岩盤だと分かったため、亀の瀬隧道を貴重な遺構として保存することが決まったそう。
しかし、全長439mのほとんどが崩れており、残ったのは40mの区間だけ。発見した際にはすでにレールが無かったと言います。














