『2025年までに黒字廃業となる中小企業』は60万社に上るとの試算も

今年1月に81歳になった古賀さんは、2020年に胃がんになり、初めての入院を経験。退院後はこれまでのように長時間の立ち仕事は難しくなり、へら絞りをすることも以前より減ったといいます。

3人いる娘はへら絞りの経験がなく、従業員も高齢化していて、後継ぎにふさわしい人物を見つけられずにいるのです。
八尾市にはへら絞りの工場がかつて30軒ほどありました。それが次々と廃業し、現在は5分の1程度に減ったといいます。
(古賀光夫さん)
「(ここ数年で)知っているところで3軒は閉まってるよ。みんなつらい思いでやめたと思います」

東京商工リサーチの調査によりますと、日本では、廃業や休業を余儀なくされた中小企業のうち、実にその半数以上の55%が黒字だといいます。こうしたケースは黒字廃業と呼ばれ、2025年までに黒字廃業となる中小企業が約60万社に上るとの試算もあります。事業を継承する後継ぎが決まらないことが背景にあるとみられています。