今回は“脱派閥”? アンケート重視で“不適材大臣”が消える?

今回の内閣改造と党人事を読み解くうえで欠かせないのが「脱派閥」という変化だ。麻生派を除く各派閥が事実上解散したことで、これまでの人事プロセスと大きく変容する。

かつての人事では、派閥領袖が総理のもとへ出向く「総理詣」が慣例だった。各派閥から一般的に衆院なら5期以上、参院なら3期以上とされる入閣適齢期の議員をリストアップし、推薦するというプロセスが機能していた。しかし今、それを行えるのは麻生氏ぐらいにとどまっている。

代わって重視されているのが全議員アンケートだ。当選2回以上の衆院議員を対象にプルダウン形式で配布され、政府役職・国会役職・党役職の3区分から最大第5希望まで記入して提出する仕組みとなっている。これまでも同様のアンケートは存在していたが、今回はより重視されているという。

室井デスクがアンケートの実物を関係者から入手して実際に試したところ、ひとつ興味深い点が判明した。党の役職の選択肢の中で「幹事長」だけが選べなかったのだ。幹事長代理や副幹事長、政調会長は選択できるのに、幹事長は候補に含まれていなかったのだという。これは「鈴木幹事長名で出されたアンケートだからではないか」と話す。

総理側近はこのアンケート重視の姿勢について「総理は人から聞いた話ではなく調査を見て自分で考えたい。派閥推薦では自分で責任が取れない」と話す。アンケートを総理と木原官房長官が熟読したうえで、実力本位の登用を行う方針だ。

派閥が存在した時代、アンケート自体は以前から実施されていたが、閣僚人事については派閥の意向がある程度反映されていた。アンケートは副大臣や政務官レベルでは参考にされても、閣僚については「派閥の推薦と総理の意向」で決まる構造が続いてきた。室井デスクも「ほんとにこの人が適材適所なのかという疑問符を持つような人も選ばれたりもしていた」と振り返る。