9平米で入居率99%? 若者に広がる「割り切り」と新たな価値観
野村:76.8平米というとマンションならよくありますが、戸建てとなると2階建て、3階建てでかなり狭そうですね。
comugi:はい。最近は敷地を細かく分割して販売する、鉛筆のように細長い形をした「ペンシルハウス」が増えています。株式会社LIFULLの調べによると、敷地60平方メートル未満の「狭小戸建て」は、2025年で2815戸と、2021年と比べて8割も急増しています。狭くても戸建てがいいというニーズに対し、3階建てにして空間を縦に広く使う工夫がされています。
野村:賃貸のほうでも同じような現象は起きているのでしょうか?
comugi:賃貸でも面白い事例があります。例えば、なんと9平米(約3畳)のワンルームが話題になっています。
野村:3畳ですか! それで暮らせるのでしょうか?
comugi:暮らせる工夫があるんです。例えばロフトが付いていて、縦の空間を有効活用できるようになっています。株式会社SPILYTUSという会社が都内23区で約100棟、1500戸を展開しているのですが、なんと平均入居率がほぼ99%と大人気なのです。
野村:それはすごいですね。なぜそこまで人気なのでしょうか。
comugi:平均家賃が約6万5000円で相場より2~3万円安く、恵比寿や四谷といった都心の一等地に安く住めるからです。主な入居者は20代~30代前半で、「住まいは寝るだけ」と割り切って、職場や学校への利便性を優先しています。
昔は「風呂なしアパート」が敬遠されていましたが、今は「浴槽がない方が賢い選択」とされたり、「コンロキャンセル界隈」と呼ばれるように、キッチンは不要でコンロが一つあれば十分、お湯も沸かさないと考える若い世代が増えています。ネガティブな妥協ではなく、前向きな「割り切り」として受け入れられているのが面白いところです。














