フードの出荷単価は、11年で2倍に

いちばんわかりやすいのが、ごはんです。ペットフード協会の出荷統計で、犬用と猫用を合わせたフードの2013年と2024年を比べると、出荷量は重さで12%減りました。ところが出荷額は74%増えています。出荷額を重さで割った平均の出荷単価は、1キログラムあたり411円から817円へ。出荷される量が減る一方で、重さあたりの単価はおよそ2倍になったわけです。値上げに加えて、高い商品が選ばれるようになった変化も含む数字です。

背景にあるのは、ごはんの高級化です。原材料にこだわったプレミアムフード、年齢に合わせたシニア用のフード、病気の子のための療法食。僕の家にも保護猫として迎えたおばあちゃん猫がいて、腎臓が悪いので療法食を与えています。気づけば、猫のごはんのほうが僕の朝ごはんより高くなっていました。ペットの食事の質にお金を払う飼い主が増えたのです。

おやつも同じで、ペットフード協会の調査では、犬を1頭飼っていて市販のおやつを買っている人の月の支出は、2025年に平均1,810円と、2021年から15%ほど増えました。森永製菓は2026年3月、看板菓子の名前をつけた「ミニムーンライトwithドッグ」など、人と愛犬が一緒に食べられるおやつ7品を発売しています。会社の発表では、参考小売価格は税込で356円から540円です。

もちろん、物価上昇も混ざっています。アイペット損害保険が2025年に発表した調査では、飼い主のおよそ4割が前の年より支出が増えたと答え、その半数ほどが値上げを理由に挙げました。高いものを選ぶ動きと、値上げの動き。この2つが重なって、1頭あたりのお金は増えていきます。