中台カップルにも向けられる「認知戦」の矛先
「陸配」と呼ばれる中国出身妻たちの活動は、本当に中国共産党による工作活動なのでしょうか。彼女たちは工作員、つまりスパイなのでしょうか。中国側はもちろんそれを否定します。
ただ、私は真相うんぬんよりも、彼女たちをめぐって台湾島内で広がる動揺こそが、中国側が望む成果かもしれない――そんなふうにも思えてしまいます。
近年、中国が絡む国際政治において「認知戦」というキーワードが多用されています。武力を用いずに、ほかの国や地域の世論や社会を分断し、政策決定に影響を与える新たな戦術を指します。
この認知戦の矛先は、30万組もの中台カップルにも向けられているのでしょうか。「人権」と「台湾の安全」をめぐり、台湾で浮上しているこの複雑な問題について、私たちは注意深く見つめていく必要があります。
◎飯田和郎(いいだ・かずお)

1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。2025年4月から福岡女子大学副理事長を務める。














