反浸透法違反で有罪判決を受ける中国出身妻たち

まずは、台湾で起きたあるニュースを紹介しましょう。

「台湾北部、新北市の地方裁判所は8月、反浸透法に違反したとして、中国出身女性に懲役7年の一審判決を言い渡しました。中国・上海出身で台北に住むこの女性は、たびたび中国へ渡航し、中国共産党当局者と長期にわたり接触。また共産党組織からの指示を受け、台湾で特定の候補者への選挙応援を行ったなどとされています」

「反浸透法」というのは、日本では馴染みがないかもしれません。台湾において「浸透」とは、「外部の敵対する勢力」の工作活動として、思想や情報が台湾の内側へ浸み込み、知らず知らずのうちに広く行きわたることを指します。それを防ぐのが、この反浸透法という法律です。

具体的には「外部の敵対勢力」からの指示や資金援助を受け、選挙運動、政治献金、国民投票の妨害などを行うことを禁じています。台湾で2020年、政治秩序や現在の体制を維持するために施行されました。台湾にとって「外部の敵対する勢力」、つまり「台湾と対立し、台湾の主権を脅かす国や団体」といえば、当然ながら中国を指します。

この女性被告は台湾人男性と結婚して1993年に台湾へ渡り、その後、台湾の正式な身分証を取得しました。彼女はやがて、自分と同じように台湾人男性と結婚した中国出身女性の権利拡大などを目指す運動を展開していたといいます。その過程で、中国共産党当局との接点ができたようです。