“修復的司法”はブレイビク受刑者を変えたのか…

ノルウェーではかつて厳罰化を進めたが、再犯率は6割から7割と高いままだった。ところが「修復的司法」を取り入れたことで、再犯率を下げることに成功。現在は約20%と低く抑えられている。

では、ノルウェーの刑務所は、寛容な社会に反対し、77人を殺害したブレイビク受刑者を、変えることができたのだろうか。

私たちは刑務所で面会を求めたが、認められなかった。そのため、記者が、事件や刑務所の処遇について問う手紙を送った。

3か月後、本人から返信が届いた。質問に直接回答するような記述はなく…

「狂っているのはあなたのようだ。この手紙を読んだら、あなたの錯乱状態が緩和されるかもしれない」

と手書きで記されていた。移民への敵視など従来の主張を繰り返し、反省する素振りすら見られなかった。刑期は21年だが、矯正が不十分と判断されれば収容は延長される。