10年前の教訓活かし導入 通報に対する「トリアージモード」初めて発動
熊本市消防局には、10年前の苦い経験がある。

2016年の熊本地震では司令管制室が被災。天井の一部が落ち、大画面モニターが表示されない中、119番対応を続けた。
【通報音声記録(2016年)】
消防「火事ですか、救急ですか」
通報者「建物が火事です」
消防「火事ですか?」
熊本市消防局情報指令課 吉村崇 副課長
「あまりにも騒然となって指示が通らないという課題があった。あと一つ、『コールトリアージ』のシステムがちゃんとできていなかった」

「コールトリアージ」とは、殺到する通報に対し「緊急」「準緊急」「低緊急」と優先順位を決めて対応することだ。「低緊急」と判断すれば救急車は出動しないと通報者に伝える。
しかし、当時その基準が明確でなく、司令員の判断に委ねられていた。

熊本市消防局情報指令課 吉村副課長
「何の基準もなくて自分のものさしだけで(救急車を)出したり出さなかったり、出さなかった通報者に対してものすごく葛藤が残った」
この教訓を受けて2020年、全国に先駆けて導入したのが「トリアージモード」だ。

熊本市消防局情報指令課 吉村副課長
「緊急と準緊急と低緊急で、赤と黄色と緑の表示があります。これは通常だったら出てこないが、トリアージモードになると出てきます」
Q.「低緊急」を押すと?
「すると『不応需』がある。一旦お断りをした方にも必ず後追いで、落ち着いた時点で折り返しの電話をして、救急車が必要と言われた方には救急車を出動させるという対応」
この「トリアージモード」が今回の地震で初めて発動された。
約400件の通報のうち92件を「低緊急」と判断。その後、改めて通報者に連絡したところ、救急車を出動させたのは13件、救急車が不要だったのは49件だった。
10年前の教訓はほかにも。司令管制室では、地震の揺れからシステムを守るため、免震床を設置。
それでも被害が出た場合、別の場所で119番対応を継続できる「可搬型指令システム」を全国で初めて導入した。

熊本市消防局情報指令課 吉村副課長
「(119番は)市民のSOSの第一歩の入り口。そこが途絶えてしまうと全く対応ができなくなるので、そこだけは守らなければいけない」

















