ミリ単位を削り出す「スレスレの技」
悔しさを抱えながらも、村竹はすでに次のステップへと踏み出している。メダルを掴み取るために必要なこととして挙げたのは、国際大会での経験を積むことだ。主戦場を海外に移し、世界大会の決勝常連メンバーと何度も戦うことで、どんな相手でも自分のレースプランを押し通す強さを磨いている。5月に中国・厦門(アモイ)で行われたダイヤモンドリーグでは、東京世界陸上王者でアメリカのコーデル・ティンチ(26)らを抑えて2位に入るなど、堂々たる走りを見せた。
さらに村竹が突き詰めているのが、強みである「スレスレのハードリング」の究極形だ。ハードルにギリギリ当たらない、あるいは当たってもスピードを殺さない絶妙な塩梅を追い求めている。


指導する山崎一彦コーチも「ハードルを倒してしまうと0.02秒〜0.03秒のロスになる。バーをスレスレに跳んでいく技を今やっている」と語るように、勝敗を分けるのはわずか「0.06秒」の差。頭の中に「下り坂を下るイメージ」を描きながら、ミリ単位の感覚の微調整と海外選手の動きの取捨選択を繰り返し、暗雲を切り開こうとしている。

















