この春の石川県議会選挙の輪島市選挙区では、保守分裂の一騎打ちが予想されています。元国会議員の次女が出馬の意向を示した去年10月から、選挙戦の火種が燻りはじめました。
人口2万4000人余りの石川県輪島市。2期連続で無風が続くこの地で選挙戦となれば、12年ぶりです。
新人・北村麻記子氏
「最初、私の思いを伝えた時は(父から)猛反対を受けました。強い思いを何度も何度も伝えて、結果的には納得してくれて今は誰よりも応援してくれています」
輪島市選挙区に出馬を表明した新人・北村麻記子氏(40)は元衆院議員の北村茂男氏の次女で、馳知事の衆院議員時代に秘書を務めた間柄です。
現職・宮下正博氏
「当然、これは戦いでありますからやっぱり負けてはおれませんので、性根を据えてしっかりやっていきたい」
迎え撃つのは、6選をねらう現職・宮下正博氏(73)。年始の名刺交換会では、かつてはともに県議として県政を支えた北村茂男氏(麻記子氏の父)と言葉を交わす場面も…。
宮下正博氏
「正直“ごめんな”ということも言っていただいたけど、私は決して…。“本人が決断したならいいのではないですか”と、そんな言葉で返した」
21日、北村氏の事務所開きには150人(※後援会発表)が集まりました。そこに姿を現した馳知事。
馳知事
「(奥能登に)新たな技術・新たな人材が必要。それを担うにふさわしい人材として北村麻記子を私は推薦したい」
北村麻記子氏
「新しい時代を作りましょう、皆さんの力が必要です。よろしくお願いします!」
北村茂男氏
「自らを律して厳しく挑戦したい、と言われた。娘に期待してください、力を貸してください」
娘の決断を後押しする父に言葉に、北村氏の目に涙が浮かびました。
同じ日に開かれた宮下氏の事務所開きには、この人が激励に訪れました。
谷本前知事
「真面目で誠実な人柄、情にもろい人柄、良い面が続々出てくる。今や宮下さんは能登にとって欠くことのできない政治家・県会議員といっても過言ではない」
宮下氏も、5期20年間の感謝と次の4年に向けての思いを口にしました。集まったおよそ200人(※後援会発表)を前に声を震わせます。
宮下正博氏
「多くの首長や多くの仲間もいます。しっかりと連携しこの輪島を能登を守っていきたい、その役割を私に任せて頂きたい」
新旧知事を巻き込んだ市を二分する戦い。輪島に訪れるのは“新時代”か…それともベテラン現職の“情熱”が勝るのか。激戦は避けられません。