阿部寛さんへの手紙

思いついたのが、阿部寛さんだった。

ちょうど阿部さんが出演しているドラマ「VIVANT」が大ヒットしていた時期。阿部寛さんは警視庁公安部の刑事「野崎守」役で、大ファンの夫「ヒロシ」も楽しみながら見ていた。

敦子さんは、阿部さんの事務所を調べてファンレターの宛先に手紙を書いた。

夫が病気になったこと、日ごろから阿部さんの大ファンで応援していたこと、丹波篠山で農業をしていて、「篠山のヒロシ」と呼ばれていること…。

「余命宣告をされても頑張っています。少しでも応援して頂けないでしょうか」

忙しい阿部さんの負担をわずかでも増やしてはいけないと、返信用のハガキを入れ、宛名には敦子さんの名前と自宅の住所を書いた。

「似ている」と言われているだけの「ヒロシ」が、頑張っていると見てもらうだけでも良い。

ダメ元で手紙を出した。