“狂ってしまった”母は「弟を殺しました」
「機関銃に追われ、大砲に追われ、爆弾にも追われて。どこに行ってもビクビクしました。怖い、怖いって」
「あるお母さんが亡くなって小さな子どもだけが残されて、かわいそうだという気持ちはあるけれど、私たちも食べるものがないし助けることもできなかった」
地獄のような日々だった。
ある日、川辺で洗濯をしていた人たちが米軍機による機銃掃射を受けた。その光景を間近で目にした母は正気を失った。
数日後、疲れて眠っていた愛子さんは4歳の弟の泣き声で目を覚ます。「お姉さん、痛い、痛い」と泣き叫ぶ弟。のどに切り傷があった。
そばにいた母はカミソリを持っていた。愛子さんはとっさに周囲の大人に助けを求めたが、間に合わなかった。
田中愛子さん(95)
「頭が狂ってしまった母は弟を殺しました。『天皇陛下、万歳』と叫んでいました。子どもを殺して自分も死のうとしたんでしょうね。あまりの苦しさで…」

















