開発期間は実に23年!「ハズレなし」のこだわりと誕生秘話

「なしおとめ」は水分が豊富で極めてジューシーなうえ、ほかの品種に比べて芯の部分が小さく、食べられる部分が多いのが大きな特徴です。

さらに、「なしおとめ」として出荷されるのは糖度11度以上のものだけに厳選されています。つまり「ハズレがない」甘さが保証されているのです。

しかし、おいしさと品質にたどり着くまでには、気の遠くなるような年月がかかりました。1995年に育成を開始し、2017年には「但馬1号」が品種登録されました。開発にトータルで23年もの歳月

農研機構・西尾聡悟上級研究員によると、梨の品種改良は通常でも15年から20年ほどの歳月を要するといいます。一代の交配サイクルに7~8年かかり、一代では解決できない課題が多いため、二代以上の改良を重ねる必要があるからです。

梨の栽培で農家を苦しめる「黒斑病(こくはんびょう)」は、果実に黒い点々が現れるカビの一種(菌による病気)で、農家によっては2割から3割もの被害が出ることがあるということです。「なしおとめ」はこの病気に強いという特徴を持っています。

また、収穫時期が早めの「早生品種」である点もポイントです。兵庫県北部は鳥取県に隣接しており、9月に入ってから旬を迎える「二十世紀梨」が有名ですが、「なしおとめ」は夏のうちから楽しめるため、出荷時期を少しずらして楽しめるメリットがあります。