建設会社を大学卒業から定年まで勤めた男は、これまで事故を一度もしたことはなかった
【弁護側からの質問】
弁護人「今の仕事は?」
男「建設会社を大学卒業から定年まで勤めて、いまはその会社の嘱託社員として、現場指導をしています」
弁護人「いままでに事故をしたことはなかった?」
男「ありません」
弁護人「いままで運転中に眠気を感じたら、どう対処していた?」
男「ほほを叩いたり、眠気止めの薬を飲んだりしていました」
弁護人「事故当日は、眠気止めを飲んでいなかった?」
男「飲みませんでした」
弁護人「それはなぜ?」
男「そこまで眠いと思わなかったからです」
弁護人「事故直前の記憶はありますか?」
男「思い出せません」
弁護人「男の子への気持ちは?」
男「幼い子の将来、夢や希望を奪い取ってしまい、本当に申し訳ない」
弁護人「遺族への気持ちは?」
男「怒り、憎しみもよく分かります。重く受け止め、罪を背負っていきたい」
弁護人「社会に出た後、車の運転はどうするつもり?」
男「車の運転は二度としません。母の介護をしながら仕事をしていきます」
【検察側からの質問】
検察官「眠気止めが必要なほど眠いと感じる中で、事故を起こしてしまうのではないかと思わなかった?」
男「そこまではないと思っていた。休憩をとればよかった」
検察官「大きな事故を起こすとは思わなかった?」
男「はい、申し訳ない」
検察官「工事現場の現場監督には、車が必要なのでは?」
男「別の仕事を探します」
裁判官「損害保険は自分が加入しているものがある?」
男「はい(対人・対物無制限のもの)」
そして、検察側の求刑です。