広島市中心部の景色がまた大きく変わることになりそうです。広島市の市営住宅「基町アパート」の中層住宅16棟が、廃止される方針であることがわかりました。

広島市の中心部、「エディオンピースウイング広島」の北側に位置する基町アパート。ここは戦後、原爆で家を失った市民のための公営住宅や大量の不法住宅が密集していました。広島市と県は1956年度から中高層アパートの建設事業をスタート。22年かけて完成したのが「基町アパート」です。

広島市が10日公表した「市営住宅マネジメント計画」の素案によりますと、廃止されるのは、基町アパートのうち、中層の16棟、438戸。16棟はいずれも鉄筋コンクリート造の4階建てで、1956年度から1964年度にかけ建設され、老朽化が進んでいました。このほか、耐震性が不足している高須第1アパートなどの162戸とともに、2035年度までに廃止される方針です。

広島市の市営住宅は全体のおよそ半分の戸数が建設から50年以上経過しています。加えて、広島市の低額所得者の世帯数は、2025年をピークに減少が見込まれていることから、市は、管理する戸数を減らし、再編・集約を図る方針です。

10日行われた広島市議会の建設委員会では、跡地活用についての質問も上がりました。

広島市議会・定野和広議員
「市内中心部のとても便利なところに広大な敷地が誕生する。基町アパート跡地について何らかの考えはあるのでしょうか」

広島市の担当者
「国有地なのでまずは国に返還する。エリアにふさわしい事業が図られるように国と協議していきたいと考えている」

広島市では、今後、市民の意見募集を行い、年度内に計画を策定、公表することにしています。