避難で「見えなくなる」被災者
車中泊者は移動するので把握が難しい。10年前の熊本地震でも、避難所の駐車場に停めているんだけど、買い出しに行く間は椅子や三角コーンで場所取りをしているような状況で、行政もそうした避難者の実態をつかみきれていませんでした。
また、壊れた家に仕方なくとどまっていたという高齢者もいた。アウトリーチでのリサーチが十分にできず、結果的に放置に近い状態になってしまった方もいました。今回改善してほしい点です。
――高齢者や障害のある方などへの対応はどうなるでしょうか。
前回の熊本地震のとき、熊本市は震災前に176か所の「福祉避難所」を指定・協定していました。しかし震災直後に実際に開設できた福祉避難所は5か所だけで、避難所まで行った車いす利用者が入れずに途中で引き返す、ということも起きました。能登半島地震でも同様に、ほとんど開設できなかった。行政が人手不足の中で、結局誰も開設できないという構造的な問題があります。
今回も、もし停電と断水が長引けば福祉施設自体が機能しなくなり、在宅での介護も続けられなくなり、行き場のない要配慮者が生まれます。弱者が見えなくなることがないように願っています。














