年間1000kmを印刷する「プリント・ファクトリー」の裏側

マリメッコが1年間に印刷するファブリックの総延長は、約1000km。これは大阪から札幌までの直線距離に相当します。

その製造で用いられているのが、「シルクスクリーン」と呼ばれる印刷技術です。

会場では、ヘルシンキの本社工場「プリント・ファクトリー」で実際に使用されていた2種類のスクリーン版が展示されています。

フラットスクリーン

ひとつは、布地に対して平らな版をあて、上からヘラのようなツールでインクを伸ばして染み込ませる「フラットスクリーン版」。

ロータースクリーン

もうひとつは、円柱状の版を回転させながら内側からインクを押し出して刷る「ロータリースクリーン版」です。後者の技術により、「ウニッコ」をはじめとする人気柄の高速かつ大量生産が可能となりました。

シルクスクリーン印刷では、複数の色が重なる際にわずかなズレやにじみが生じることがあります。しかしマリメッコでは、それらを「不完全なる完全さ」と捉えます。不良品として排除するのではなく、手仕事ならではの人間味や温かみのあるファブリックとして受け入れているのです。

plaplaxのインスタレーション

また、会場にはアートユニット「plaplax(プラプラックス)」が手がけた映像作品も展示されています。真っ白なファブリックや壁面に印刷工程の映像が投影され、プリントの仕組みを視覚的に体験できる注目の空間となっています。