逆境のコントロール
技術が形になった時、 深津の中で“役割の輪郭”がはっきりした。
勝っている時ではない。
苦しい時こそ、自分の出番だ。
「僕個人のセッターとしてのスタンスとしては、『チームが綺麗に上手くいっている時なんて、僕の存在なんて正直どうでもいい』んですよ」
「僕が一番自分の役割として研ぎ澄まして強化してきたのは、チームが “一番苦しい最悪のシチュエーション”になった時に、セッターの自分がコートの上で一体どういう声掛けができて、どういうトスワークで流れを引き戻すことができるかというところ。“逆境のコントロール”を、僕はこれまでのバレー人生で一番強化してきた部分ではある。それは間違いなく、チームが崩れかけた時に、コートの真ん中で「お前ら大丈夫だから、俺を信じて跳べ!」って言って頑張れる『本物の1人の司令塔』に自分はなりたいな、と思って、ずっと20代の頃から自分を厳しく強化してきた部分でもあった」
その覚悟は、仲間の迷いを消していく。
「何よりも『セッター』というポジションの人間は、どんなにレシーブが大きく乱れてピンチの場面であっても、コートの中で周りのメンバーに対して『絶対に1ミリも弱気(不安な表情)を出さないようにしている』。どんな状況でも、コートの全員が「次の1本どうする!?」って、最初のサインの瞬間に必ず『セッターの顔(表情)』を真っ先に確認する。 そういう周りから見つめられている重要な時に、自分がハッキリと堂々とした佇まいで『よし、ここは最速のパイプでいくぞ!』『次はクイックでへし折るぞ!』って、強い気持ちでチームを引っ張っていく。そういうメンタリティで、毎日毎日やっています」

















